ライトセーバーとか実現しちゃうのか?物理学者たちが新たなる光の形を作り出す(米研究)

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 2本の光のビームが交差すると、光子同士がバシッと弾かれるようなことはなく、特に面白みもなくすり抜けてしまう。このために『スター・ウォーズ』のライトセーバーは実現不可能と言われてきた。

 だがMITとハーバード大学の研究者によって光子が”相互作用”することが証明された。もしかしたらライトセーバーも夢の武器ではなくなる可能性を帯びてきた。

すり抜けることなく光子が結合

 この研究を率いたMITのブラダン・ヴレティッチ教授は、「光子の一つ一つを相互作用させることは、長い間の夢」とコメントする。

 研究チームは微弱なレーザーを超低温のルビジウム原子でできた高密度の雲に照射した。すると光子は単一のランダムに分散した光子として雲から脱出するのではなく、結合した。

 通常、光子には質量がなく、光速(秒速30万キロ)で移動する。しかし実験では、光子が電子の質量による摩擦で結合することが判明した。この時の光子は通常の10万倍も遅くなる。

 しかも雲を抜けた後でも結合したままで、脱出時の”記憶”を持っていた。
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image credit:Christine Daniloff / MIT

量子コンピューター実現の鍵

 
 共著者のセルジオ・カントゥ(氏によると、その利点は光子が媒体を通過して、その中で何かが起きると、脱出した時のことを”覚えている”ことだという。

 このことは相互作用した光子同士は強くもつれていると考えることができる――量子コンピューターの実現に鍵となる特性だ。

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 光子は長距離を凄まじい速さで移動できるために、光ファイバーなどで情報を伝達するために光が使われてきた。

 「光子が互いに影響を与え合うことができて、それらをもつれさせることができるなら、この特性を利用して量子情報を面白くかつ便利なやり方で送信することができます」(ヴレティッチ教授)

 今後の研究目標は光子に反発作用のような別の相互作用があるのかどうか探ることだという。これができれば、光子をビリヤードの玉のようにバラバラに散らばらせることもできるかもしれない。

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 「質的に何が期待できるのかも分からないという意味で、今までにないものです。光子に反発力があるなら、光のクリスタルのようなパターンを作ったりもできるのでしょうか? それとも違うことが起きるのでしょうか? まったくの未知の領域です」(ヴレティッチ教授)

References:mit / sciencemag / smithsonianmagなど/ written by hiroching / edited by parumo
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