エジプトで発見された謎めいた隕石「ヒュパティアストーン」には太陽系に存在しない構造をしていた

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 エジプトの南西、リビアの砂漠で1996年に発見されたこの隕石は、極めて謎めいたものであることがわかった。これは太陽系の歴史についてのわたしたちの理解を大きく揺さぶることになるかもしれない。

 この石は、「ヒュパティアストーン」として知られている。

 4世紀ギリシャの世界初の女性哲学者で数学者、ヒュパティアの名にちなんでつけられた。大きさは数センチ、濃いグレイ色の、表面的にはなんの変哲もない石だが、地球上、いや宇宙においても未知の物質でできている。ヒュパティアストーンはいったいどこからきたのだろう?

通常の隕石にはない構造を持ったヒュパティアストーン

 ほとんどの惑星、既知の隕石は、シリカ(珪酸塩)鉱物と少量の炭素を含んでいるものだが、ヒュパティアストーンは、普通の炭素とはほぼ正反対の構造をしていて、ほとんどケイ素がないことがわかっている。

 さらに奇妙なことに、わたしたちの太陽系ができる前に存在した宇宙屑の主成分である多環芳香族炭化水素を多量に含んでいる。

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image credit:Dr Mario di Martino, INAF Osservatorio Astrofysico di Torino

太陽系外からやってきたのか?

 南アフリカ・ヨハネスブルグ大学の地質学者で、ヒュパティアストーンの研究者でもある、ジョージ・ベルヤニンは、この独特な構成は、わたしたちの太陽が生まれる前、つまり太陽系外のものを起源とする可能性があるかもしれないと言っている。

 ヒュパテイアの中のこれら3要素の粒子の割合は互いに、地球もしくは既知の隕石で計算されたものとはまったく異なっていて、これらの含有物自体は、この太陽系内においては独特のものだ。

 わたしたちは、ニッケル、燐、鉄の粒子は母岩(石基)の中にあるため、太陽系が生まれる前にできたものと考えているが、ヒュパティアの成分構成が太陽系のものとはかなり異質なものだ。

 地球の大気圏や地表での衝突のような衝撃で、そうした”もとからあった物質”が変化したものだとは考えにくい。

 ではこの石がどこからきたものなのか?その起源はまだわからない。太陽系の遠い彼方からやってきた彗星や隕石の可能性もあるが、この石をまだ完全には研究できていないため、その構成物ははっきりしていない。

 もしこれが太陽系内のどこかからやってきたのなら、太陽系の成り立ちの現在の理解そのものを覆すことになるかもしれない。とても興味深い石なのだ。

References:sciencedaily / mysteriousuniverse / popularmechanics/ translated by konohazuku / edited by parumo
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