体の4分の1が目。巨大な目をもつ絶滅した甲殻類「ドロカリス・インゲンス」

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 恐竜とともに絶滅してしまったドロカリス・インゲンスという節足動物門・甲殻亜門に属する海の生物は、想像を絶する姿をしている。その体のほとんどが目なのである。

 恐竜の時代として知られる1億6,000年前のジュラ紀に生きたこの生物の特徴は、全長の4分の1にも達する巨大な2つの目である。それぞれが18,000個の個眼で構成されており、これを超えるのは現在のトンボだけだ。

 節足動物とは、外骨格があり、体節に分かれた身体の動物で、今日の昆虫、クモ、カニなどの甲殻類もこのグループに含まれる。ドロカリスにはカニのような殻があり、餌となる小さなエビを捕まえる3対のハサミが付いている。また短い付属器が8対あり、これで水中を泳ぐことができる。体長は5〜20cmで、前述の通り、目の大きさはその4分の1もある。

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 専門家は、フランス南東で発掘されたドロカリスの化石の目を特殊な顕微鏡で覗き込んでみた。アリやトンボなどに見られる複眼が最初に現れたのは、動物の多様性が一気に増加した5億年前のカンブリア紀と考えられている。

 「見ることや見られることが物事を一変させました。目があれば、より一層有能な捕食者となり、獲物からすれば簡単に見つかるようになるわけです」と論文の共同著者であるフランス、リヨン大学のジャン・バニエ氏は説明する。

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非常に珍しい保存状態に優れたドロカリスの化石。複眼の内部と外部構造がきれいに保存されている。それぞれの目には18,000個の個眼がひしめく。

 その目には、現存する多くの昆虫や甲殻類のそれと多くの共通点があったようだ。大きく、パノラマで、多面的で鋭敏な目が環境を確かめ、動き回る獲物を察知する上で決定的に重要であったことは明らかである。おそらくドロカリスは泳ぎがそれほど得意だったわけではく、物陰に隠れて獲物を待ち伏せするような狩りを行っていた可能性が高い。

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 この系統はすでに死に絶えてしまったが、同じ特徴を有する目だけは別種の動物によって受け継がれてきた。

via:natureasiaphys・translated hiroching

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