霊長類ではない?人類滅亡後、地球を支配する種は何かを生物進化学で予測する

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 さて前回、人類のみが滅亡した場合の地球に起きる変化の1説を紹介したが(もし人類だけが突然姿を消したら、地球上ではどんな変化が起きるのだろう?)、他にも様々な仮説がある。

  28億年後、太陽が膨張して地球上の全生物が高温化により絶滅するのを待つまでもなく、その前に人類のみが滅び去る可能性がないわけではない。

 人類が他の生物をあとかたもなく絶滅させていないという条件で、仮に我々人類のみが消え、地球の優占種でなくなったとしたら、5千万年後の未来はどうなっているのだろう?スコットランド、スターリング大学の生物適応進化学の講師である、リュック・ビュスィエーレ氏が 、人類滅亡の後に優占種となる動物は何になるか?進化論の観点からその予想をネット上で公開していた。

 まずは優占種の定義を見ていこう。

優占種の定義は動物界に限定

 現代は顕花植物の時代と言われることがある。だが、未来の世界で『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』に登場するオードリーIIのような、動物のごとく動き回る植物が登場するとは思えないだろう。ゆえにここでの議論はあくまで動物に限ることにしよう。これは哲学というよりはむしろ実務上の理由のためだ。

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 ある標準的な理論では、今も昔も世界はバクテリアによって支配されてきたとされるが、名目上は”微生物の時代”は12億年前に終わったことになっている。

 これはバクテリアが消えたからでも、その勢力が衰えたからでもない。そうではなく、近視眼的な我々が大型の多細胞生物に重きを置くようになったからにすぎない。
 
 また一説によれば、動物5種中4種が線形動物であるという。こうした例から分かることは、”優占種”の条件とは、分布でも、個体数でも、多様性でもないということだ。代わりに、我々の想像力は大型でカリスマ性を持つ生物に捉われている。

やはり猿が地球を引き継ぐのか?

 優占種を名乗る人類には否定できないナルシシズムが隠されており、それを近縁種に与えようという強い傾向がある。『猿の惑星』で想像されているのは、人類に最も近い霊長類は、十分な時間と空間さえあれば、会話する能力を身につけ、テクノロジーを操るようになるということだ。

 だが、人間以外の霊長類が地球の優占種になる可能性は低いだろう。なぜなら、彼らは人類よりも先に絶滅しそうだからだ。

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 絶滅危惧IB類や絶滅危惧IA類ではないヒト科動物は我々しかいない。そして仮に人類を滅亡させるような地球規模の危機が訪れれば、まだ残っている他の類人猿が生き延びられる可能性は低いはずだ。実際、人間に影響を与えるような絶滅イベントは、基本的な生理学的要件が共通している生物にとっては極めて危険なものだろう。

 また、例え人類滅亡の原因が他の哺乳類はあまり影響を受けないような世界的疫病の大流行だったとしても、類人猿に限っては感染のリスクが非常に高い。

人類の後継者が知的で社会的な生物であるとは限らない

 では他の、より遠縁にあたる生物が知能を発達させ、人間のような社会を作り上げることはあるだろうか? それも考えにくそうだ。地球の歴史を通して一時期であっても優占種であったとされる種の中で、人間ほど高い知能と手先の器用さを備えたものはいない。

 これは他の動物より優れるための絶対条件ではないし、進化すれば当然に手に入る特質でもない。進化は知能を高めるよう進むものではなく、生存の可能性、繁殖の可能性を高めるように進む。したがって、人類の後継者が高度に知的かつ社会的な生物であると考えるのは間違いである。

 では人類が消えた5千万年後に優占種となっている動物として何を想定するのが妥当だろうか? その答えを聞いても、おそらく不満だろうし、大して面白くもないだろう。

 会話のできるチンパンジーではないことは確かだろうが、本当のところそれ以上は分からないのだ。

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「適応放散」により、どんな姿の生物が支配するのかは予測不能

 この世界は何度かの大量絶滅を経てきた。そうしたイベントの後、比較的急速に生命は多様化する。そして新種の”適応放散(単一の祖先から多様な子孫が登場すること)”は、絶滅を生き延びた祖先とはまるで違った形態を数多く作り出す。

 白亜紀末期に恐竜の足元を歩き回っていたネズミのような生物は、これを祖先とするホラアナグマ、マストドン、クジラとはまるで違う姿をしている。同様に、2億5千万年前に起きたペルム紀末の大量絶滅(海産種の90%、陸生種の70%が絶滅)を生き残った爬虫類に、これを祖先とする翼竜、恐竜、哺乳類、鳥類の面影は見られない。

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 故スティーブン・J・グールドは『ワンダフル・ライフ』で、動物界の大転換期においては偶然が大きな役割を果たすと論じている。生命の歴史における偶然の相対的な重要性については議論の余地があり、現在でも賛否両論だ。しかし、グールドによる将来的に絶滅が起きたとして、その後に繁栄する現存種を予測できないという洞察は、進化による変化の複雑さを改めて思い起こさせてくれる。

 ゆえに、アリが次代の王であると推測してみてもかまわないが、その子孫の姿がどのようなものか想像することは到底無理な話なのだ。

via:theconversation・/ translated hiroching / edited by parumo

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